Amplified Pendulum: ロール方向の曲線運動における曲率増幅とその知覚閾値の検証
実空間よりも急峻な曲線軌道に沿って運動するように知覚させるVRアトラクションの検討および開発を行った。
本研究ではロール方向の曲線運動における曲率を増幅させるために、全身の曲線運動に対してリダイレクション操作で用いられる曲げゲインを適用し、実空間よりも急峻な経路を運動するVR空間の映像を提示した。電動車椅子に横向きに着座した状態で曲率0.42m^-1のランプを上昇することで受動的な曲線運動を発生させ、それに対して様々な曲げゲインを適用した。pseudo-2AFCを用いて曲げゲインの知覚閾値を調査する実験を実施した結果、実空間の曲率を最大で約2.9倍まで、観察者に知覚されずに増幅可能であることが示された。本研究の成果は、ロール方向の曲率操作と並進運動を組み合わせた新たなVR体験の設計に寄与すると考えられる。